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アニメ・ゲーム研究-2010-13

【第13回】インタラクティブ・メディアと表現


 インタラクティブとは何か


コンピュータゲームは、コントローラを用いて、画面内のキャラクターなどを操作して遊ぶものが多い。このとき、コントローラは入力装置であり、絵や音はモニタやスピーカーといった出力装置を通して表現される。自分の意思通りにキャラクターを操作することで、キャラクターに感情移入しているし、ゲームは成立している。記録媒体にデータを読み込んでいて、待たされたりするとゲーム機の存在を思い出すことはあるが、基本的にコンピュータの存在をゲーム中に意識することは少ない。コンピュータを操作しているのではなく、画面中のキャラクターを操作しているという錯覚ができることによって、人はゲームにのめり込むことが可能になる。

右ボタンを押すとキャラクターは正確に右に動く。これが約束されていると、計算結果として、キャラクターが右に表示されたという意識は働かず、キャラクターを直接動かしているような錯覚が生まれ、さらには、自分が動いているかのような感覚が芽生える。→感情移入の成立

スーパーマリオブラザーズ

Bボタンでダッシュ。Aボタンでジャンプ。Bダッシュしてから、ジャンプすることで大ジャンプが可能。ダッシュ+ジャンプでなければ届かない床があることで、キャラクターとの協調性が強化。

インタラクティビティ: 人間とコンピュータとの双方向性、対話の意味。


サザーランドの「スケッチパッド」(1963年)

ライトペンでモニタ上に描くことで、ただちに計算結果がモニタに反映される。
入力装置:ライトペン、出力装置:モニタ
GUI:グラフィカル・ユーザ・インタフェースの誕生

インターフェースと感情移入

後に、入力装置としてキーボードとマウス、出力装置としてモニタがコンピュータのインタラクティビティにおける基本ツールとなる。

人間の手の動きを画面に取り込む。マウスを操作している手を意識するのではなく、マウスカーソルに意識を転移させる。

コンピュータゲームでは、キャラクターへの感情移入の成立に関係している。


操作する人(入力): マウスを動かす、ボタンを押す → 身体運動。感覚的。
コンピュータ(計算): 入力情報によってプログラムを動作、機械の制御 → 論理的。機械的。
モニタ(出力): 光による図像の表示。人は視覚により、記号や図を受け取る。→ 感覚的。

人は、マウスを動かすときには、感覚的に操作している。XY座標を正確に指示してカーソルを動かしているわけではなく、ボタンやアイコンの上にカーソルを持って行くという意識で操作している。

対して、コンピュータは、マウスの座標を計算によって弾きだし、カーソルを画面に表示している。すべての入力データは数値として管理・計算されており、論理的に動作している。

モニタには、コンピュータによって正確に表示されるが、そこに表示された文字や画像は、人間が感覚的に受け取るものであり、どのように受け取るかは、人によって異なる可能性がある。

コンピュータは論理的に動作するが、人は感覚的に操作したり、計算結果を受け取ることができる。


 メディアアート

Virtual Reality(VR) 人工現実感


ジェフリー・ショー JeffryShaw
1944年10月23日オーストラリア、メルボルン生れ。1963年メルボルン大学(建築学専攻)、1964年同大学美術史専攻、1965年ミラノのブレア美術アカデミー(彫刻専攻)、1966年ロンドンのセント・マーチン美術学校(彫刻専攻)で学ぶ。1970年から1980年まで、THE EVENSTRUCTURE RESEARCH GROUPの創設メンバーとして活躍。1989年にはロッテルダム美術アカデミー客員教授、翌1990年には、アムステルダムRietveld Academyの客員教授となる。1991年以降ZKMカールスルーエ芸術とメディア技術センター視覚メディア研究所所長を務める。
【代表作品】
「THE LEGIBLE CITY」(マーストリッヒト、ボンネファンテン美術館、1989年)
「ALICE'S ROOMS」(川崎、かながわサイエンスパーク、1989年)
「VIRTUAL MUSEUM」(生きている絵画展、ブリュッセル、アート・フランクフルト、1992年)
「DISAPPEARANCE」(ブリュッセルMusee d'Ixelles、1992年)
「EVE」(ZKMカールスルーエ芸術とメディア技術センター、1994年)


VRを題材とした映画
「マトリックス 」(ウォシャウスキー兄弟、1999年)
「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」(原作:士郎正宗、監督:押井守、1995年)

Mixed Reality(MR) 複合現実感


「ContactWater」(村上泰介、キャノン、2000年)

Augmented Reality(AR) 拡張現実感

「電脳コイル」(原作・監督:磯光雄、2007年)


 様々なインタラクティブ・メディア


・パソコン
・WEBサイト
・携帯電話、スマートフォン
・ICOCAなど電子マネー(改札機とカードが対話して動作)
・電子楽器
・家電
・電子書籍