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ストーリーを考える

ストーリーの考え方


 創作のきっかけ

ストーリー作りに関わらず、創作のスタートって何でしょうか?
個人的な経験では、何かを作りたいと思うきっかけは「衝動」です。それは突然やってきます。他人の作品を見ているときに突然沸いてきたり、歩いてるときに突然思いついたりします。

しかし、突発的な思いつきで制作を始めても完成までこぎつけないことはありませんでしたか? 綺麗な線が描きたい!とか、かわいい女の子が描きたいとかそれだけでは、作品と呼べるものにまで作り上げられないことが多いんじゃないでしょうか。特にストーリーのようなものは難しいように感じます。表面的なもの(単なる技術的なもの)だけでは、作品のテーマが感じられず、浅い印象のものになってしまいます。

学生作品を今までいろいろ見てきましたが、そういうあまり考えていないものが多い印象があります。ロボットが好きだからロボットを題材にできれば満足、というものです。満足なのであればそれでいいのかもしれませんが、他人に面白いと感じてもらうのは少々難しいでしょう。

自分が他人の作品を見るときのことを想像してみてください。全く自分に接点のないものを面白いとはなかなか思えないものです。一見、自分に関係なさそうでも、人生観や考え方に共感できれば、面白く感じます。また、体験したことのない刺激も興味をそそられます。感情を揺さぶられるものもいいですね。しかし、深く印象に残るものはそれほどないのではないですか?

 問題点を見つける

書き始めるにあたって手がかりになるものの一つは「問題」を見つけることです。様々なところに問題は転がってます。

  • 登下校のとき、不満に思ったことはないですか?
  • あなたは将来が不安ではないですか?
  • 異性とのことで悩んでいませんか?
  • 人類の未来をどう思いますか?
  • あなたの家族について心配なこと、困ってることはありませんか?
  • 孤独と感じることはありませんか?
  • 自分の容姿に不満はないですか?
  • 生きる目的を見失ってはいないですか?

これらは、ネタになりうる問題です。もっと些細なことから、深刻なものまでいろいろあるでしょう。そして、その原因をよくよく考えてみてください。本当の根元にまでさかのぼって考えてみてください。どうすれば、それらは解決されるのでしょうか。もし、現代の科学技術や哲学や文化では解決できないのであれば、SF設定があれば解決できるかもしれません。みんなが悩んでいるものほど、共感が得られます。

問題が見つかれば、それを解決する策を「考えること」ができます。つまり、目標ができたわけです。それは作品のテーマになりませんか?

 面白いネタを探す

「これは面白いな!」もしくは「面白くなりそう」と思うネタを探します。

これがうまくいかないとかなり苦労します。悩んでる学生でよくあるのが、すごく漠然とした抽象的な言葉を頭の中だけで思い描いてるような状態です。うまくいかない人に「なんかこう、こんな感じ?」っていう人がすごく多いです。具体性が無さ過ぎるんですね。

頭の中でモヤモヤ考えてるだけではなかなかイメージはまとまらないものです。積極的にネタを探すようにしましょう。テレビで見たことでも日常で気になっていることでも何でもいいですが、何か気になる、もしくは、面白いと思う事柄をメモしてください。メモはどれだけしてもいいです。見つけたことや思い浮かんだことをメモしまくります。アイディアはなかなか向こうからやってきてくれません。好きになるように自分を仕向けましょう。違う言葉でいうと「好奇心」ですね。自分から捕まえにいく姿勢が重要です。

アイディアを文字にしてビジュアル化するだけでも、脳の思考能力は飛躍的に高まります。更に、作品のことを人に話すと、わかってもらおうという脳内スイッチが入るのでものすごく脳が働きだします。友達と物語のネタを話してるうちにストーリーが一本まるごと出来上がったっていうことはよくあることだと思います。ただ、興奮状態で考えたものは一晩寝かして見直す方がいいです。あと、散歩やサイクリングしたり、図書館や喫茶店などで考えたり、お風呂で考えたりするのも有効です。

本、雑誌、テレビ、ニュース、映画、歌詞、願望・忌避、友達の話、町でみかけた風景…なんでもいいですが、様々なものから情報収集しては、それをメモし、考える。そうしているうちに何か形が見えてくるはずです。

先週の話に出てきたと思いますが、作品とは何かの切り口です。一見面白くなさそうなネタでも切り方によっては、面白い断面が見えてきます。いろんな角度から眺めるようにしましょう。

ネタ参考

ニコニコ動画で人気のある作品を見てみて、参考にしてみてはどうでしょうか?
人気があるということは、その作品の中の何かが支持している人の心をつかんでいるわけです。
いくつかピックアップしてみました(表示重いです)

 情報を遮断する

人間は、情報を入力しているときは出力できないみたいです。「みたいです」と自信がない風ですが、ハッキリ言うと自信はないです。経験的に、自分がそうだからそうだろうと思っているだけです。ですが、多分正しいと思います。

日頃、情報をたくさん仕入れて創作の準備をします。しかし、いざ作るとなれば、情報源のないところへ行きましょう。テレビを見ながらとか、パソコンでWEBサイト見ながらっていうのはダメです。入力を遮って、頭の中から搾り出すことに集中してください。僕個人のことでいうと、喫茶店とかにいって、書いたりします。家にいると自分を誘惑するものが多すぎて脱線しやすいので、あえて何にもないところに行きます。多くのマンガ家や小説家も喫茶店やファミレスを利用してるみたいですよ。

そして、頭からアイデアを絞り出し始めると意外なほど、スルスル出てきます。うまくいくと、完成までできてしまったりします。「入力時と出力時は分ける」参考にしてください。

 ネタを作る

いろいろ考えたり、探したりして出来てきた大量のネタを見直します。その中から光るネタを探し出しましょう。そのときに、他のアイディアとくっつけてみたり、入れ替えてみたり、逆転させてみたり、対の言葉やシチュエーションを考えてみたり、極端にしてみたり、視点を変えてみたり…と様々な可能性を探ってください。「おっ!?」と思うネタが出来上がったら、それはかなり面白くなる可能性があると思います。

ネタいじり用キーワード

  • 切り口
  • 共感
  • 意外性
  • 刺激
  • 社会性
  • 美しさ
  • オリジナリティ
  • 欠落と補完
  • タイミング・場所・目的
  • 需要と供給
  • ギブ&テイク
  • 比較
  • 異質なものをくっつける
  • エスカレートさせる(極端にする)
  • 裏切る
  • 勘違い
  • すり替える
  • 凝縮と解放
  • 対になるものを考える
  • 連続性
  • 統一感
  • リズム
  • バランス
  • 主観と客観
  • 視点を変えてみる
  • 擬人化
  • 第三者の存在
  • 表と裏
  • 密度

 面白い設定が命

ストーリー、キャラクター、テーマ、コンセプト・・・それらのどこかに、作品のコアとなる面白い設定を作ります。設定が面白くないと、面白い作品にするのは難しいです。

設定というのは、見る人に着眼点を与えるということだと思います。「ここは、こういうことにしてみます」という宣言のようなものです。もしくは、作品のルール作りですね。いろいろとルールを決めていくと、行動が制限されていきます。制限されることで駆け引きが生まれ、工夫が生まれ、楽しむ観点が生まれます。設定が何もないと漠然としすぎてしまうのです。漠然としすぎると、何が面白いのかわかりにくいです。

多分皆さんが知りたいのは面白い設定って何なの? 何が面白い設定なの?ってところでしょうね。それは、正直なところわかりません。わかりませんが、ヒントはあります。それは欲望です。欲望を刺激する作品を表現するために必要な設定が面白い設定でしょう。ここでの欲望とは、食欲とか性欲のような動物的なものもそうですが、もう少し広い意味で捉えるといいと思います。頭が良くなりたいとか、サッカーが上手くなりたいとかも範疇に入ります。実際にそういう欲求にこたえるための商品はたくさんありますよね。それらの欲求の大元になっているのは、「生きたい」という欲求です。もしくは、人生を充実したものにしたいという欲求です。忙しい人はのんびりしたいでしょうし、恋人がいない人は恋に飢えているでしょう。人としてより良く生きたいという欲望を満たすために、恋愛があり、世界の存続があります。そして、それを阻害しようとするものは、排除したいと考えるのです。しかし、そういう人生に関連の深い欲望の他に、順番に並べたいとか、色を揃えたい、壊したい、隙間を埋めるなど、「生きる」とかとは関係なさそうな動物的衝動のようなものを喚起させられるものもあります。パズルとかドミノ倒しとかってなぜ面白いんでしょうか。脳科学的にはいろいろ理由があるんでしょうけど、人生論的な意味づけは難しいですね。話が脱線しそうですが、それら欲望を刺激する面白い作品に仕立てるために設定が必要になります。

設定を考える際、「もし〜が〜だったら」という考え方はかなり有効だと思われます。
こちらを参考にしてみてください。→状況設定から考える

例をいくつか考えてみましょう。

  • ドラえもん
    • 勉強も運動も苦手な男の子の元に超現実的な便利道具を出してくれるロボットが現れる。
    • 設定として重要なのは、四次元ポケット。次々と新しい道具を登場させることがこの四次元ポケットの存在によって可能となる。
    • ダメな子のダメな部分を便利道具で補おうとする→結局上手くいかずしっぺ返しを食らう。
    • もし『ドラえもん』がのび太の成長物語なのであれば、ダメな子からダメじゃない子に変わる物語となるのであり、最終的にドラえもんの助けはいらなくなる。のび太のダメな部分、のび太の完成にとって足りない要素を補うのがドラえもんの役割であり、すべて補うことができたとき、物語は充足する。ドラえもんはのび太の前から去らねばならない。しかし、道徳的観点から考えて、便利道具によってのび太の弱点が補完されることはありえない。つまり、ドラえもんがのび太に何かできるわけではなく、いつまでも『ドラえもん』は終わらない。もし、終幕を迎えるとしたらそれは、のび太自身が自分で自分を変えるときである。そのときにドラえもんは必要ではなく、変化のきっかけを与えるのだろう。
  • サザエさん
    • 典型的なごく普通の家庭に起こる出来事や人間関係を描く。
    • 『サザエさん』に作品全体の終わりの形はない。なぜならば、何かの欠落を求めて、何かの終局を目指して物語が始まっているわけではないから。 ストーリーは各話ごとに完結する。つまり、何事も起こらない「永遠に続く日常」の一部分を切り取ったところがサザエさんのお話であり、全体を貫くストーリーは存在しない。どこから始めてもよく、またどこで終わってもよい。視聴者も「変わらない」という設定で見ている。サザエさんのキャラクターの誰かが死んだり、何かを求めて冒険するようなことは起こらないし、そんなことは誰も望んではいない。つまり、お話の中で何かが起こっても絶対に元の鞘に戻る。問題はどのようなアクシデントが起こり、それをどのように元の状態に返すかだ。現実の世界では、人間関係などは常に変化しているが、サザエさんの世界では絶対に変わらない。変わらないからこそ長寿番組でいられる。
    • 昭和の家庭であり、放映開始当時はよくある家庭の姿だっただろうが、今となっては珍しい家族構成である。サザエさんの家庭は日本の家庭の象徴のような意味合いに変わってきているような気がする。最初は、共感を得て楽しむ作品だったのだろうが、変化の激しい現代においては「変わらないもの」を求めて見る作品になっていると思う。
  • 用心棒(黒沢明監督作品)
    • 凄腕剣士が一人で大勢のヤクザを相手に立ち向かう。
    • 困ってる人は、主人公ではない。旅の途中で立ち寄った村の酒場の親父が困っているのを見て、一肌脱ぐという典型的な依頼される主人公の話である。依頼されて始まる話は、その仕事が完了することで結末となる。
    • この作品の面白いところは、チャンバラの痛快さにあるのは間違いないのだが、主人公の行動の取り方、そしてそれに翻弄される人たちの姿に重要な部分がある。まず、作品の設定が、単純な対立構図ではないところが面白い。村の中に二つの対立するヤクザ組織があり、勢力を競っている。そして、主人公はそのどちらにも属さない。村の覇権を競って対立する組織を行ったり来たりしながら争わせ、相討ちになって滅びるように仕向け、トドメに目の覚めるような剣術を披露する。
    • 力押しするのではなく、頭を使って無理に思える大きな仕事をやってのけるところに痛快さがある。
  • 天空の城ラピュタ
    • 空に浮かぶ城、空から落ちてくる少女、空に憧れている少年、飛行石。
    • 空のシーンから始まり、空のシーンで終わる。天空の城の設定、登場キャラクターたちの設定が非常にうまく絡まり、引き立てあっている。
    • 非常に面白く作品世界に引き込まれてしまう映画だが、構成的には少し難がある。序盤〜中盤、少女(シータ)がさらわれパズーが救出する流れになるのだが、天空の城の存在よりも救出劇が盛り上がりすぎて、シータを救出した後の話が流れ気味になっている。最後のピンチをもっと盛り上げられれば、最高だったのだろう。
    • 話が少し散漫な感じがするのは、主人公パズーがラピュタに行かねばならない理由が弱いからかもしれない。シータやムスカ、空賊たちはそれぞれにハッキリした理由(運命)を持ってラピュタに関わっているのだが、パズーは間接的な理由でラピュタに行くことになる。パズーもシータたちに負けないほど強い結びつきをラピュタと持っていれば、スッキリした話になっていたのではないだろうか。

 デザインシート

「齋藤孝の企画塾―これでアイデアがドンドン浮かぶ! 」(齋藤孝:著)で提案されていた企画作成に使用するフォーマットです。プリントアウトして使います。思いついたアイディアを一度このデザインシートに落とし込むことで、アイディアを整理します。そんなに高い本でもないですし、シンプルかつ実践的な内容の本だと思うのでオススメですよ。


デザインシート(レシピ)
日付:
名前:
■対象
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■タイトル(ネーミング・テーマ)
 ・
■ねらい(どんな需要に応えるものか、セールスポイント)
 ・
 ・
■テキスト(素材)
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■キーワード(キーコンセプト)
 ・
■段取り (およその骨組み)
 1.
 2.
 3.
 4.
 5.
 6.
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 8.
 9.
■仕込み (あらかじめ準備すること)
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 ・

 物語をつくるための仕込み

キャラクター、世界、状況、テーマ、コンセプト、使用技術……これらには制作上での順番というのは特にありません。同時進行しましょう。キャラクターを考えたり、テーマを考えたりです。テーマから世界やキャラクターが生み出されることもありますし、その逆もあります。キャラクターを考えたり、コンセプトを考えたり、世界設定を考えたり、またキャラクターを考えたり……と行ったり来たり修正しつつ進めねばならないと思います。

 物語化する

面白いネタができたら、物語化しましょう。というか、この時点ですでに物語ができてしまってる場合も多いんじゃないでしょうか。その場合もいろいろ検証するつもりで考え直す方がいいと思います。

どこで切り取るか

大前提として物語は、始まりがあって終わりがあります。ずっと連続して続いている時間のある一部分を切り取ったものが物語です。どこで切り取るのが一番いいか考えるのも重要です。いらない部分がないか、もっと必要な部分がないか考えましょう。

物語の恒常性

ものすごく単純に言うと物語は、誰かが何かを求めて行動したことを記したものです。

何かを求めるということは、何かが足りないということです。もしくは、バランスが崩れている状態を元に戻そうとすることです。その崩れたバランスを元に戻すために、主人公たちは思考し行動します。主人公が善人でも悪人でも個人でも組織でもその原理は変わりません。

この基本的な仕組みがないと、視聴者は見ていて不安になるんですね。この主人公はなぜ行動してるんだろう、それを手に入れたからどうだっていうの??と、何か落ち着かない感じになります。

  • うさぎ君は、台風でものすごい風と雨の中を、全身傷だらけになりながら八百屋に向かった。
  • うさぎ君は、倒れた妹うさぎに新鮮なニンジンジュースを飲ませてあげるために、台風でものすごい風と雨の中を、全身傷だらけになりながら八百屋に向かった。

このふたつを映像化してみたときのことを考えてみてください。ものすごい嵐の中を必死にピョンピョン跳ねるうさぎの姿がイメージできますが、あきらかに下の方が盛り上がりますよね。妹のくだりをはじめに出すか、後に出すかでも印象は変わります。

学生作品で面白くない作品はこの要素がないものが多いです。「だから何?」といいたくなってしまうのです。ただ車が走ってるだけ、ただ格闘してるだけ。「ただ○○してるだけ」の作品で面白くするのはなかなか難しいです。何かの操作説明とか、機能説明みたいなものや、自分の技術レベルを見せるためなどの映像としては、アリかもしれませんけど、大体のものは見ているうちに眠くなります。

ちなみに、映像作品がすべて明確な物語を持っていなければ面白くないかというと、そんなことは無いと思います。映像作品は時間性を持っているため広い意味では、すべて物語性があるともいえますが、一般的な意味での物語がある必要はないです。ネタが最高に面白ければ、物語らしい物語がある必要はないでしょう。記録性の問題もありますし、風景として意味がある映像やその映像から想像が豊かに膨らむ映像は無闇に物語性を入れない方が良い場合が多いでしょうね。

構成を考える

そして構成を考えましょう。よく言われるのが「起承転結」や「三部構成」ですね。
起承転結の4部構成はものすごく有名で、もう誰でも知ってます。誰でも知ってるけど、実際作ると難しい。起承転結は順番をある程度いじることが可能です。ラストを最初に見せて、なぜそうなったのかを見せていく構成もよくあります。

何を伝えたいのか
そのことに神経を集中してください。そして、それを効果的に伝えるためには、どのような順番で絵を見せていけばいいのか考えてください。

例をあげると、アクションシーンを面白く見せるのが重要な作品であれば、見せ場のアクションシーンに導く段取りをする必要がありますね? そして、アクションシーンの結果、どうなるのか。その段取りが構成といえます。人は話を聞くときに、原因と結果の整合性を求める性質があります。それが作品の中の秩序となります。殴ってるシーンがあったとき、たしかに動きがよく描けていればそれなりに面白いのですが、なぜ殴るのか、また殴った結果どうなるのか知りたくなるのです。殴る前と殴った後に何が変わるのでしょうか。何かが「変わる」もしくは「変わらない」、その過程を効果的に描くのがストーリーであり、構成です。

映像作品としての物語

CGクラスで作るものは、ほとんどの人が映像作品ですので書いておきます。

映像作品のための物語だということをよく考えてください。おそらく皆さんが学内にいる間に作るものは短編作品です。アニメーション作品であればなおさらですが、あまり時間の長い作品は作れないでしょう。ですから、あまり複雑な話は向いていません。物語的にはシンプルな構成で考えて、絵の力と演出で見せていくのが無難です。書いている物語が長くなっていないか、考えてみてください。

 シナリオ企画立案シート

下記の質問項目に全て一行程度の短い言葉で書き込むことでストーリーの骨子が出来上がります。思いつきで構わないので、どんどん埋めていきます。2時間で10個ほどの案を考えるくらいのペースで作ります。その中から良い案を選んで修正を加えます。無題はよくありません。タイトルも入れてください。シナリオ作成中に気に入らなければ修正すればよいので、思いついたものを書いておきます。


シナリオ企画立案シート
以下の項目に1行程度の言葉で書き込みます。
その企画を元にシナリオを膨らませていきます。
このシートの項目は必ず全て記入します。
1)いつ?
2)どこで?
3)だれが?
4)何をする?
5)なぜ?
6)発端 はじめに何が起こるのか?
7)展開 真ん中あたりはどうなるのか?
8)クライマックス 最後にどうなるのか?
9)主題 何が言いたいのか?
10)題名

例)
1)いつ?
江戸時代中期
2)どこで
日本国内のどこかの城下町
3)だれが?
風変わりで素直な性格ではないが、秘めた正義感を持つ凄腕の浪人
4)何をする?
若者たちを助け悪者たちをやっつける
5)なぜ?
頼りない若者たちを放っておけなかったから
6)発端
若者たちの密談に出くわす
7)展開
若者たちと共に捕らえられた城代家老の行方を探す
8)クライマックス
大目付たちの用心棒と対決する
9)主題
正義は勝つ
10)題名
椿三十郎


 主人公になって行動する

基本的な構成や主人公や敵対者や環境や状況が出来上がったら、主人公になって行動してください。こんな世界に生きていて、こんな状況に直面したら主人公(自分)はこうするだろうな、という想像を働かしてお話をつむいでいってください。その際の指針として、構成があります。構成を地図代わりに、いかに登場人物になりきって書けるかが面白さのポイントになります。

 ドラマファクトリー

http://www.shinkigensha.co.jp/download/game_drama/
「ゲームシナリオのドラマ作法」(川邊一外:著)で考案された質問項目に答えていくと、ストーリーが出来上がるというフォーマットです。
ゲームでよく見かけるようなお話になりやすい構成ですが、工夫次第でいろいろなストーリーに応用できるはずです。