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SoundEdit

音関連情報

僕は絵作りが専門で音に関してはど素人ですので、僕が書けることはありません。そんな僕でも自主制作で映像制作するとなると、音に関してもそれなりに形にする必要が出てきます(仕事では、そこはサウンド制作のプロがする仕事なので僕がタッチすることはありません)。学生や自宅で映像を作ってる人などもプロの技術者に制作依頼することはないでしょう。そこで、音の素人でも何とか違和感のない映像に仕上げるのに必要な知識をまとめておきたいと思います。

EDIUS.jpというサイトに映像制作における音の作成・編集について記述がありますので参考にしてみてください。


 音の演出の基本知識

言いすぎかもしれませんがハッキリいいますと、映像のクオリティを出すのは音です。音がショボいと映像作品がショボくなります。ハリウッド制作の高クオリティ映像でも素人が作ったいい加減な音をつけるとびっくりするくらい駄目になります。逆に写真のスライドショーでも音がいいと非常にいい感じに見えます。プロの映像と素人の映像はそこに差があるといってもいいのかもしれません。素人は音に力を入れられない人が多いです。そこをなんとかして乗り越えたいというのが、音の素人である自分の願いです。

映像における音の役割を考えましょう。映像作品は、動画(絵)と音から作られています。絵は目に刺激を与え、音は耳に刺激を与えます。つまり映像作品を視聴する際、二つの要素が組み合わさって脳の中で構成されているということです。当たり前のことのように感じるかもしれませんが、意外と理解して無い人が多いです。これはそれほど単純なことではありません。映像作品において、絵と音は別のものであるということをハッキリ理解して制作していないと、その相乗効果を得られないでしょう。

効果音の同期

絵と音に同期が感じられれば、絵の中から音が出ているように聞こえますし、同期が取れてない場合は関連のない音となるでしょう。僕たちは、自分の経験を映像上に投影して視聴しています。金属と金属がぶつかってる絵を見たら、その音を想像します。そのときに、経験上知ってる音と違うものが聞こえると違和感を覚えます。金属の高い音をイメージしてるのに、和太鼓の音が聞こえてきたら笑ってしまいます。場合によっては、あえて違和感のある音を当てるというのも面白い演出だと思いますが、作品の中でそこに意味がないと作品の雰囲気を壊してしまうので注意が必要です。本来、表現しなければならないものに導くために最善の音を当てましょう。

音が違っていたとしても、絵の動きと音のタイミングがピッタリあっていると非常に気持ちいい映像になります。なぜ気持ちいいのかまでは、まだ調査不足でわかりませんが…。音楽のPVなどはそのことを最大限利用しようとして作られているものが多いです。音楽のリズムに合わせて映像がカットしてあったり、何かが表示されたりすると音楽のリズムが映像に乗り移ったかのような感じになります。

音楽PVのように音楽と映像の同期をとる場合、リズムのハッキリした音楽と映像の大きな変化がピッタリ同期しているとシンクロ感が高くなると思います。しかし、ずっと大きな変化ばかりで音と合わせていると刺激に慣れてしまって効果が薄れるので、小さな変化と大きな変化をうまく使い分けて映像を構成すると効果的でしょう。ここで言う変化とは、「色」「形」「動き」です。色の場合、中でも明度が非常に効果が高いです。形は、形状よりも面積の効果が大きいです。これらはカメラワークとの関連性を考えるといいでしょう。ロングとどアップをつなげば、かなり大きな画面の変化が得られます。そのときに照明を変えたり、フィルターで色を変えたりすればより効果が得られます。

音と映像のシンクロをいろいろと実験したアニメーション作品で有名な作家にノーマン・マクラレンがいます。個人的に尊敬してる作家ですが、「色彩幻想」が大好物です。「Synchromy」も代表作。


他、参考になりそうなもの


自然には存在しない効果音

宇宙空間で戦闘しているロボットアニメで爆発の絵があるとします。この絵に対して爆発の音を入れるかどうか。宇宙では音が届かないでしょうし、爆発しても大気中と同じように爆発の音が聞こえるのはおかしいと思いますが、何の説明もなしに、無音の爆発が出てくると視聴者はアレ?と思ってしまいます。こういう類の問題は映像制作においてあちこちに出てきます。ボタンを押したときの音、何かを閃いた!ということを表現する音、涙が地面に落ちたときの音、殴ったときの音、剣で斬ったときの音など、これらは実際には音がしないか音があったとしても耳には聞こえない音かもしれませんが、映像作品では音を入れた方が効果的なこともあります。

BGM

BGMだって、作品世界の中では存在しない音です。雰囲気を盛り上げるという意味で非常に有効ではありますが、シビアに作品世界を表現しようとしたら余分なものではあるでしょう。では、なぜ曲を入れるのでしょうか。

一つの答えは曲そのものがイメージを持っているのでそれを利用しようということです。勇壮なイメージの曲、絶望を感じる曲、楽しい気分の曲など、楽曲そのものが持つイメージを作品に付加することで、映像作品が放っている気分をさらに強調しようというのが一番大きな目的でしょう。

2つ目は、退屈を紛らわす効果です。TVアニメのように動きが少なく情報量の少ない映像は、無音だと視聴に耐えません。セリフが入っているとだいぶ見れるようになりますが、映像に力がないのでどうしても、退屈してしまうのです。そこで、音楽が持つ「音の変化・流れ」を利用して、止まっている絵でも退屈させないというのが二つ目でしょう。気になる人は、TVアニメを無音で見てみてください。また、RPGやアドベンチャーゲームなどは、BGMが無いと完全に絵が止まってたりするので本当に映像が死んだ感じになります。これらを実際にやってみると言っている意味がわかると思います。実写映像の場合、画面内の何かが常に動いているため、また絵の情報量が多いため、アニメなどと比べるとだいぶマシになります。

3つ目は、編集点を意識させないという効果です。映像はカットとカットをつないで作ります。つまり違う絵を次々と見せていくことで成立させているのですが、絵が切り替わるときにどうしてもショックがあります。そこで、カットとカットの間を横断して音をつなぐと、そのショックが和らぐのです。これは、セリフの編集でも多用されます。セリフのずり下げ、ずり上げを数コマいれることで、スムーズにカット編集がつながります。野球の放送番組などもカメラがころころ切り替えられますが、音声はつながっているために、カメラの切り替えポイントをそれほど意識させないで見せることができるのです。一つのシーンの間のつながり感を作りたいときは、音がつながるようにしましょう。逆にぶっつり切りたいときは、音も切らないと流れてしまいます。

4つ目は、環境音をごまかすという効果です。録音するときにどうしても空調の音や周辺のノイズが入ります。そこで、バックにBGMを入れてそれらを紛らわすのです。


環境音

特にアニメ制作において重要になるところなのですが、環境音については注意しましょう。ビデオ撮影なら撮影したときに同時録音した音などがありますが、アニメの場合は絵しかありません。無音です。音をいれないといけないのですが、編集するときに音声トラックに何もない状態は作らないでください。全くの無音の映像というのは、落ち着かない感じになります。なんらかの環境音をバックに入れる必要があります。教室の中なら、他の生徒たちがおしゃべりしてる声がうっすらと入っていたり、公園であれば、木々の葉がこすれる音が入っていたり子供たちがはしゃいでいる声が入っていたりするそのシーンの「環境」の音を入れてください。大きく入れる必要はありませんが、全くの無音の状態を作ってしまうと非常に特殊な状況になってしまいます。なぜなら、僕たちは通常生活において無音の世界を経験することはないからです。また、映像の音が無いと視聴者側の環境音が目立ってきて集中力が削がれてしまうのです。テレビを見ていて、映像が真っ黒になるとモニターに自分たちが映って我にかえってしまったという経験をした人もいるでしょう。あれと似たようなことが音に関しても起こります。聞こえるか聞こえないかわからない程度のノイズでもいいので、完全な無音ではない状態にしてください。

蛇足ですが、ジェームズ・タレルというアーティストは、感覚を制限することで知覚について新しい発見をさせてくれる作品をいくつか作っています。その中に、『ソフト・セル』という作品があります。光と音をほぼ完全に遮断する小部屋になっていて、そこに入って外部から情報が入らない空間を体験するというものです。完全な闇と無音の空間に放り込まれ、しばらくすると、まず心臓の音など体内の音が鳴り響き、幻視や幻聴が聞こえてくるそうです。人間は何もないということが耐えられないため、脳の中で光や音を作り出してしまうのでしょう。

音の大きさ

音量と音圧に注意しましょう。音量のピークレベルが同じでも、音圧が高いと大きく聞こえます。大きく聞こえるということは迫力があるということにもつながります。詳しくはこちらを参考にしてください。音圧の上げ方はこちら。なお、音圧を上げればいい音になるというわけではありません。本来あったはずの高低の音のバランスが崩れるわけで、音の情報量は減っているんですよね。ただ、粒が揃うので聞きやすくはなります。例をあげるとするとCMなどでは音圧は高めでしょう。

距離感の演出、登場人物の注意が向いているかどうか、ストーリー上重要な情報かどうかなどで音量は変わります。例えば、セリフが入るとBGMのレベルを下げて、話している内容がわかるようにしたり、遠くから近づいてきたら音量を上げたりします。右から何か物が入ってきたら、右側を大きくしておいて、だんだん左側の音を上げていくなどステレオの効果を利用します。これらをうまく使うと、シーンに登場していないものを音によって表現できます。カメラで捉えている絵は世界の中のごく一部のものです。見えていないものを表現できるというのは、作品制作において非常に深みを与えてくれます。

編集時のことで言うと、全体の音量バランスに注意してください。部分的に大きすぎたり、小さすぎたりしないような配慮が必要です。具体的に言うと、テレビなどで見ていて作品の途中でボリュームを調整したくなるような音量バランスはNGです。安心して最初から最後まで聞ける音の大きさに調整しましょう。小さすぎる音などはノーマライズ(音量の均一化)などをかけると良いかもしれません。特に注意したいのは声です。セリフはちゃんと聞き取れないとイライラするものになってしまいます。録音時の環境によって聞き取りにくい音になったりもするのでその辺も要注意です。

今ならDVD-Rも非常に安いので、作成した動画をテストで一度DVDに録画し、それを自宅のDVDデッキなどで再生して、音の大きさを市販のDVDタイトルと比べてみたりするといいでしょう。WEBで使う動画なら、他の動画と比較してみて丁度いい音量を探すといいです。公開する際に大事なのは、視聴者がボリュームを調整しないと見られないようなものにしないよう、バランスを取るということです。

なおデジタル録音では通常0dBが量子化の最大値に定義されます。すなわち、0dBを超える音は正常に記録できません。実際の録音現場では、録音対象にもよりますが、-6dBから-12dBあたりに録音したい音声が入るように録音レベルを調整するのが、ひとつの目安です。(EDIUS.jpより)

 音素材

映像作品で扱う音は、大きく分けるとセリフ、ナレーション、効果音(SE)とBGMに分けられます。実写映像ならば、同時録音された音も使えます。作品中で使う効果音は、自分で録音して作成するか、著作権フリーの効果音集などに収録されている音を使うのが一般的です。

絵の方もそうですが、素材が悪けりゃどうしようもありません。品質の高い音を作ること、または探すことを考えましょう。

自分で収録する

自分で収録する際は、DATなどに録音するのが通例でしたが、最近はICレコーダー価格コム)が安価で高性能になってきているのでそれらを利用するのがいいのではないでしょうか。成安造形大学の場合、メディアセンターでICレコーダーを貸してくれるので利用するといいでしょう。ICレコーダーは、直接WAVファイルかMP3ファイルに保存してくれます。すぐにパソコンで利用でき便利です。

自分で収録するのは、意外と難しいことも多いです。自分が欲しい音だけじゃなく、周辺の音が混ざってきます。屋内だと空調の音や電気機器などから発する音が入ってしまうので、それらのスイッチを切るなど注意しないといけません。テストをしてから本番の音を録音するようにしましょう。録音作業時は、モニター用のヘッドフォンをして作業してください。密閉型のものがよいでしょう。こちらを参考にしてください。

自分で作る

アニメや映画に使われている音は、現場で録音されたものを使っているとは限りません。特殊な機械を作ったり、別の音を加工して作ったり、本当の音とはかけ離れた音をあわせたりしていることが多いです。特にアニメでは、電子音などで作られた効果音を使っていることが多いです。ドラえもんの走るときの音をイメージしてもらえばわかりやすいかと思います。(ちなみに、ドラえもんは地上からほんの少し浮いているという設定らしいです。浮いているので走っても音はしないのですが、無音で走ると気持ち悪いのであの独特の音が当てられているのです。)
これらは、自然界に存在していない音なので自分で作るしかありません。

アニメなどの特殊な効果音は、あえてミスマッチな音をあてることで、不自然さをなくしているのです。アニメの絵は自然な絵ではなく、デフォルメした絵です。そこに自然界の音をあてると、絵と音にギャップがあり不自然な感じがしてしまうのです。作られた絵には作られた音を当てる、これは、過去に映像制作をしてきた職人たちが考え出した妙案にして素晴らしいアイデアなのです。ぜひ参考にしてほしいです。

海の波が打ち寄せる音をザルに小豆をいれて揺らして作るのを見たことがある人がいると思いますが、あのように自然界の音と似た音を作る装置を放送業界の人たちはたくさん作り出しています。あれは、作られた音であるというところにポイントがあるのです。電子音などで作られた音も同様です。ガンダムが動く際の音は収録できませんし、レーザービームが撃たれたときの音を聞いたことのある人はいませんから、あれでいいんです。もしかしたら、全然違う音でも良かったのかもしれませんね。

実際に制作する際は、マイクとICレコーダーなどを使って録音する方法のほか、音編集ソフトのエフェクターなどを使って、様々な効果音や環境音を作ることもできます。


素材集を利用する

CDなどに収録されて売っている著作権フリーの効果音集やWEBサイトで配布しているものを利用すると非常に便利です。ただ、自分の経験上、自分が欲しい音は無いということの方が多いですが…。
素材データのページにWEB上で見かけた音関係の素材を扱っているサイトにリンクしてあるので、参考にしてください。

 加工

音編集のソフトウェア

音編集の市販のソフトで高機能なものとしてPro Toolsなどが有名で業務でも使用されていますが、学生だとなかなか手が出ないという方も多いかと思います。(以前は高額製品でしたが、Pro Tools LEはお手頃価格です)

音編集のフリーソフトとして有名なのが、AudacitySoundEngine Freeです。これらは波形編集ができるソフトで、音素材の様々な加工ができる優れものです。とりあえず、これらを用意しておけば大体のことはできます。

マルチトラックで複数の素材を並べて処理したい場合はこれではできないので、SoundEngine Freeと同じところが配布しているRadioLine Freeなどを利用するか、DAWと言われる楽曲作成ソフトを利用しましょう。フリーソフト集にいくつか紹介してありますが、こちらにいろいろ解説があります。安くて高機能なものとして個人的にオススメなのは、Music MakerMusic Studioです。Music Studioはシェアウェアですが、ほぼ無期限無料で使用することができます。詳しくは本家サイトの方を参照してください。数万円〜くらい出しても大丈夫って人や楽曲制作もガッツリやりたい人は、Pro Tools LEやこちらで紹介されてるようなDAWソフトを使うのがいいんじゃないでしょうか。僕はあんまり詳しくないので、音楽制作に詳しい人に聞いてください。簡易的ではありますが、AfterEffectsでもある程度は音をいじれますので、映像と合わせて音の編集をやってしまうというのもいいかもしれません。

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