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映像基礎演習-第7回-2007

映像基礎演習 第7回 映像作品の内容分析1 [2007年度前期]

 映像作品を分析する

分析テーマの候補をいくつかリストアップするので、それらの中から選択しレポートする。

分析課題

以下の中から一つ選んでレポートすること

  1. 宮崎駿監督『風の谷のナウシカ』と『もののけ姫』の比較分析
  2. 黒沢明監督『七人の侍』の内容分析
  3. チャップリン『モダン・タイムス』の内容分析
  4. 周防義和監督『Shall we ダンス?』とピーター・チェルソム監督(リチャード・ギア主演)『Shall we Dance?』の比較分析
  5. 山本暎一監督(手塚治虫原作)『ジャングル大帝』とディズニー『ライオンキング』の比較分析
  6. ユーリ・ノルシュテイン『話の話』の内容分析
  7. リュック・ベッソン監督『レオン』の内容分析

レポートのポイント

  • レポート用紙
    • 用紙サイズ:A4
    • Word等でまとめてプリントアウトが望ましいが、手書きでも可。
    • 参考画像などを見やすくレイアウトするなど工夫(書籍などのレイアウトを参考に)
    • 表紙には、分析テーマのタイトル学年クラス番号氏名など記入すること
    • ページ番号を入れ、バラバラにならないようにホッチキスなどでとめること。
  • 作品概要をまとめる
    • 分析する作品の基本情報をまとめること
    • 作品タイトル、制作年、制作会社、スタッフ構成、配給会社などなど。
    • 主要スタッフのプロフィールをまとめる。監督、原作、脚本、主演俳優などの出身地や経歴、代表作品等
  • 分析項目(例)
    • あらすじ(物語を短くまとめる)
    • 登場人物(どのようなキャラクターがでてくるのか)
    • 表現内容上の特徴について
      • テーマ(主題)やコンセプト(ねらい)などを分析する
      • 扱われている問題は何なのか、観客に興味深いと感じてもらいたい、訴えかけたいポイントは何なのか。
    • 表現手法上の特徴について
      • 映像的演出、音声的演出、登場人物の演技、編集、特殊効果、リミテッドなのかフルアニメなのか、CGを使うのか使わないのか…など。技術面や手法面で特徴的なものを分析。
    • 比較テーマの場合、二つの作品にみうけられる似ている点や異なっている点、影響を受けている点など、技術的、内容的、商業的、人間関係的に二つの作品が関係していると思われるポイントを抜き出し、分析する。もしくは、時代の変化により現れていることや、作者の環境の変化、思想的な変化など、時間を隔てて制作されていることや地域的な違いを考慮し分析する。
  • 書籍、WEBページなどを参考にしても構わないが、丸写ししただけのようなものは認めません。あと何を参考にしたのかわかるように書籍名(著者名等も)やWEBページのURL(アドレス)等を記載しておくこと。
  • 提出期限
    • 2007年12月13日(木)
  • 提出場所
    • 授業内であれば直接手渡しで、それ以外であればB棟2Fの森田研究室まで。(在室していないときは部屋の前の箱に入れておいてください)

作成手順について(参考に)

  1. 作品の印象:一度通して作品を見て感じたことなどをメモしていく
  2. キーワード化:感じたことを言葉にすることで、客観視できるようになる
  3. キーワード調査:作品内から抜き出したキーワードの基本的な意味や、社会・歴史・文化などなどの観点から調べていく。
    • オススメの手順は百科事典で調べ、そこに書かれていることを元にさらに調査範囲を広げていく。重要だと思われるものはメモ。WebだとWikipediaやGoogleが下調べには便利。
  4. まとめ:十分に調査したら、それらの情報をまとめていく。順位、選択、組み合わせなどを考え、自分の興味のポイントに収束させていく。分析結果を自分がどのように解釈しているのか一度客観視してみるとよい(執筆後、時間をおいて見直すなど)

編集上のヒント

作品全てを漠然と分析・編集しようとすると、何を調べればいいのかわからず路頭に迷うような結果になるでしょう。ですから、切り口を定めて取り組むことを意識するとやりやすくなるのではないでしょうか。それに着眼点がハッキリしていると読み物としても面白いものになります。

何に注目して書いていくかを決めるためにも、まず作品をよく観ましょう。そしていろいろ資料を集めてみましょう。作品を作るときの基本は、いかに情報を集めるか、そしてひらめいたことや、面白いと感じたことを逃さないことです。それは、作品作りも書類作成でも同じです。情報の海からアイディアは生まれるのです。「考える」のは資料を集めてからでも遅くはありません。とにかく始めは「ひらめき」のための餌を脳に与えてあげましょう。

インターネットは調べものをするときの超強力な手段になります。かなりお手軽に必要な情報が見つかったりします。ですが、ネット上の情報はいい加減なものが多いのも事実です。インターネットと書籍を平行して使うのをオススメします。ネットで手がかりを得て書籍で追求していく、またはその逆もいいでしょう。両者をうまく活用して情報を集めてください。

十分に資料が集まったら、しっかりウンウン唸って悩んでください。インプット→アウトプット→インプット→アウトプット…の繰り返し。調子のいいときは、資料集めをしてる段階でまとまってたりします。脳の仕組みを効率よく利用して仕事してください。

もの調べをするときに便利なWEBサイト

調べものをするときに個人的によく利用するサイトを紹介しておきます。


 フレデリック・バック

フレデリック・バック(Frederic Back 1924年〜)は、カナダのモントリオール在住のアカデミー賞短編アニメ賞の受賞経験もあるアニメーション作家である。

フランスのザールブリュッケン(現在は、ドイツ領)に生まれる。その後パリに移り住み、音楽家であった父親の影響でピアノの練習に励むが、絵画に興味を持ち始める。1939年に。ブルターニュ地方のレンヌの美術学校で恩師の画家マテラン・メウに師事する。1948年には、文通で知り合った女性に会うためにモントリオールを訪れ、翌年には結婚、移住する。

1952年カナダ国営放送に、グラフィックアーティストとして参加し、作画の仕事を大量に行った。1968年には、カナダ国営放送アニメーション部門に参加し、タイトルロゴや、子供向け番組の制作していた。そして1975年に、バックの作品には必要不可欠な音楽家ノーマン・ロジェと『イリュージョン』の制作で出会うこととなる。

制作手法としては、主にアセテートの上に画材(色鉛筆、フェルトペン)で描くものが多い。 バックの作品の制作期間はどれも長期間に及ぶ、その為『木を植えた男』の制作中には右目を痛めながらも5年の月日をかけて完成させたと言う。ここまで緻密に人間と自然をテーマに、壮大なアニメーションを作れるアニメーション作家はバックだけだろう。

また、広島国際アニメーションフェスティバルでのグランプリ受賞などで数回来日しており高畑勲などの、日本のクリエイター達と交流がある。

  • 1975年 - 『イリュージョン』
  • 1976年 - 『タラタタ』
  • 1978年 - 『トゥ・リエン 』
  • 1981年 - 『クラック!』 - 第54回アカデミー賞短編アニメ賞受賞
  • 1987年 - 『木を植えた男』 - 第60回アカデミー賞短編アニメ賞受賞
  • 1993年 - 『大いなる河の流れ』

『クラック! CRAC!』

クラック!

  • 1981年/カナダ/15分19秒
  • 制作期間:22ヶ月
  • 監督:フレデリック・バック Frederic Back
  • 音楽監督:ノーマン・ロジェ
  • オタワ国際アニメーションフェスティバル グランプリ受賞(1982年)/第54回アカデミー賞短編アニメ賞受賞

『木を植えた男 L'HOMME QUI PLANTAIT DES ARBRES』

木を植えた男

  • カナダ/30分/1987年/カラー
  • 制作:カナダ国営放送
  • 監督:フレデリック・バック Frederic Back
  • 原作:ジャン・ジオノ Jean Giono
  • 第60回アカデミー賞短編アニメ賞受賞/広島国際アニメーションフェスティバル グランプリ受賞など、世界各国で40以上の賞を受賞
  • ナレーション(日本語):三國連太郎
  • フランスの山岳地帯を旅する若者が出会った男の30年にも及ぶ行動を通して、人間の創造力の偉大さと環境問題をテーマにして描いた87年アカデミー短編賞(アニメ部門)受賞作。人里離れた荒野に住む初老の羊飼いブヒエ。彼は荒れ果てた大地にたった一人で木を植え続けていた。目的など多くを語らない彼の信念を貫くその行動は、二つの大きな戦争の間も続き、中年になった若者が再びその地を訪れた時、不毛の大地はまさに楽園に変身していたのだった……。

 参考文献


【DVD】フレデリック・バック作品集