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映像基礎演習-第7回-2009の変更点

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!!!映像基礎演習 第6回 映像作品の内容分析1 [2009年度]
!!映像作品を分析する 〜課題について〜
分析テーマの候補をいくつかリストアップするので、それらの中から選択しレポートする。
!分析課題
以下の中から一つ選んでレポートすること
+宮崎駿監督『'''風の谷のナウシカ'''』と『'''もののけ姫'''』の比較分析
+細田守監督『'''時をかける少女'''』の内容分析
+黒沢明監督『'''生きる'''』の内容分析
+周防正行監督『'''それでもボクはやってない'''』の内容分析
+M・ナイト・シャマラン監督『'''シックス・センス'''』の内容分析
+チャールズ・チャップリン監督『'''黄金狂時代'''』の内容分析
!!!映像基礎演習 第7回 映像作品の形式分析2 [2009年度]

!レポートのポイント
*レポート用紙
**用紙サイズ:'''A4'''
**Word等でまとめてプリントアウトが望ましいが、手書きでも可。
**参考画像などを見やすくレイアウトするなど工夫(書籍などのレイアウトを参考に)
**表紙には、分析テーマの'''タイトル'''、'''学年'''、'''クラス'''、'''番号'''、'''氏名'''など記入すること
**'''ページ番号'''を入れ、バラバラにならないようにホッチキスなどでとめること。
*作品概要をまとめる
**分析する作品の基本情報をまとめること
**作品タイトル、制作年、制作会社、スタッフ構成、配給会社などなど。
**主要スタッフのプロフィールをまとめる。監督、原作、脚本、主演俳優などの出身地や経歴、代表作品等
*分析項目(例)
**あらすじ(物語を短くまとめる)
**登場人物(どのようなキャラクターがでてくるのか)
**表現内容上の特徴について
***テーマ(主題)やコンセプト(ねらい)などを分析する
***扱われている問題は何なのか、観客に興味深いと感じてもらいたい、訴えかけたいポイントは何なのか。
**表現手法上の特徴について
***映像的演出、音声的演出、登場人物の演技、編集、特殊効果、リミテッドなのかフルアニメなのか、CGを使うのか使わないのか…など。技術面や手法面で特徴的なものを分析。
**比較テーマの場合、二つの作品にみうけられる似ている点や異なっている点、影響を受けている点など、技術的、内容的、商業的、人間関係的に二つの作品が関係していると思われるポイントを抜き出し、分析する。もしくは、時代の変化により現れていることや、作者の環境の変化、思想的な変化など、時間を隔てて制作されていることや地域的な違いを考慮し分析する。
*書籍、WEBページなどを参考にしても構わないが、丸写ししただけのようなものは認めません。あと何を参考にしたのかわかるように書籍名(著者名等も)やWEBページのURL(アドレス)等を記載しておくこと。
*提出期限
**2009年7月14日(火)
***絵コンテ課題の方は6月23日(火)です。
!!実験アニメーション
!ノーマン・マクラレン Norman McLaren
1914年4月11日 - 1987年1月27日 カナダの実験映像、アニメーション作家。

*提出場所
**授業内であれば直接手渡しで、それ以外であれば'''B棟2Fの森田研究室'''まで。(在室していないときは研究室前の箱に入れておいてください)
スコットランド、スターリング生まれ。画家を志してグラスゴーの美術学校に入学、セルゲイ・エイゼンシュテインを始め、多くの優れた映画に出会う。とりわけ、実験的映像に興味を持ち、在学中にフィルムクラブを作り同時代の巨匠たちのフィルムを見続けたほか、フィルムにダイレクトペイントした作品を自主制作した。そのときの作品がドキュメンタリー映画監督のジョン・グリアスンの目にとまり、イギリス郵便局の映画部に招かれる。その後、ロンドン、アメリカと拠点地を移動。グリアスンがカナダの国立映画制作庁(NFB)の局長に就任すると、彼の推薦によりアニメーション部門の責任者となる。

!!レポート作成手順について
以下、参考までに。
+作品の印象:一度通して作品を見て感じたことなどをメモしていく
+キーワード化:感じたことを言葉にすることで、客観視できるようになる
+キーワード調査:作品内から抜き出したキーワードの基本的な意味や、社会・歴史・文化などなどの観点から調べていく。
**オススメの手順は百科事典で調べ、そこに書かれていることを元にさらに調査範囲を広げていく。重要だと思われるものはメモ。WebだとWikipediaやGoogleが下調べには便利。
+まとめ:十分に調査したら、それらの情報をまとめていく。順位、選択、組み合わせなどを考え、自分の興味のポイントに収束させていく。分析結果を自分がどのように解釈しているのか一度客観視してみるとよい(執筆後、時間をおいて見直すなど)
1930年代から80年代までの50年間に、約70作品を制作。200あまりの国際賞を獲得している。ダイレクトペイント、ピクシレーション、カリグラフィ、立体アニメーション、多重露光映画など、数々の実験映画を手がけた。NFBの後進の指導にも尽力し、NFBの作家主義、個人制作スタイルを牽引した。

!編集上のヒント
作品全てを漠然と分析・編集しようとすると、何を調べればいいのかわからず路頭に迷うような結果になるでしょう。ですから、切り口を定めて取り組むことを意識するとやりやすくなるのではないでしょうか。それに着眼点がハッキリしていると読み物としても面白いものになります。
!代表作
*星とストライプ 1983/2分
*ループ Loops 1940/3分
*色彩幻想−過去のつまらぬ気がかり 1949年/8分
{{youtube uC0w-yhkR1I}}
*ペイント・パーカッション−ペン先の音楽 Pen Point percussion 1951/6分
*隣人 1952年/8分 
{{youtube 88JS1lrqPHA}}
*緑と色の即興詩 1955年/5分
*算数あそび Rythmetic 1956年/9分
*マクラレンの開会の辞 1960年/7分
*ニューヨーク・ライトボードの記憶 1961年/8分
{{youtube lzqwSROVk70}}
*カノン 1964年/9分
*パ・ドゥ・ドゥ 1968年/13分
*シンクロミー 1971年/7分
{{youtube Jqz_tx1-xd4}}

何に注目して書いていくかを決めるためにも、まず作品をよく観ましょう。そしていろいろ資料を集めてみましょう。作品を作るときの基本は、いかに情報を集めるか、そしてひらめいたことや、面白いと感じたことを逃さないことです。それは、作品作りも書類作成でも同じです。情報の海からアイディアは生まれるのです。「考える」のは資料を集めてからでも遅くはありません。とにかく始めは「ひらめき」のための餌を脳に与えてあげましょう。
!手塚治虫
*http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%89%8B%E5%A1%9A%E6%B2%BB%E8%99%AB&oldid=12655748
*http://www.phoenix.to/
*http://www.mushi-pro.co.jp/

インターネットは調べものをするときの超強力な手段になります。かなりお手軽に必要な情報が見つかったりします。ですが、ネット上の情報はいい加減なものが多いのも事実です。インターネットと書籍を平行して使うのをオススメします。ネットで手がかりを得て書籍で追求していく、またはその逆もいいでしょう。両者をうまく活用して情報を集めてください。
漫画の始祖として名高い手塚治虫は日本における商業アニメーションの土台を築いた人間の一人である。もともとディズニーのアニメーション映画に心酔していた手塚治虫は「鉄腕アトム」の日本初のテレビ連続放送により、大人気を博す。短期間にアニメーション作品を完成させる必要から「バンクシステム」や静止画の多用、撮影フィルムの使いまわしなどを駆使して制作するスタイルを考案する。無謀ともいえる省力化により映像は大変荒いものになってしまうが、不可能とも思えた毎週新作を放送するという快挙を成し遂げる。現在の日本製アニメーションの土台になっているセル画によるリミテッドアニメーションのしくみはこの時に始まったといえる。今、日本において大量のアニメーション作品が制作できているのは、省力化を極めた方法論の成果なのだ。

十分に資料が集まったら、しっかりウンウン唸って悩んでください。インプット→アウトプット→インプット→アウトプット…の繰り返し。調子のいいときは、資料集めをしてる段階でまとまってたりします。脳の仕組みを効率よく利用して仕事してください。
!手塚治虫のアニメーション作品
*監督
**『ある街角の物語』 
**『展覧会の絵』 
**『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』 
**『ジャンピング』 
**『おんぼろフィルム』 
*製作総指揮
**『千夜一夜物語』 
*原案
**『わんわん忠臣蔵』 
**『ジェッターマルス』 
**『ラブ・ポジション〜ハレー伝説〜』(OVA) 
**『青いブリンク』 - 原案「せむしの仔馬」 *手塚治虫の遺作の一つ 
*以下、NTV系『24時間テレビ アニメスペシャル』より
**『100万年地球の旅 バンダーブック』 
**『海底超特急マリン・エクスプレス』 
**『フウムーン』 
**『ブレーメン4 地獄の中の天使たち』 
**『タイムスリップ10000年プライム・ローズ』 
**『大自然の魔獣バギ』 
**『悪魔島のプリンス三つ目がとおる』(注:テレビ東京で放映された作品とは無関係) 
**『銀河探査2100年ボーダープラネット』 
**『手塚治虫物語 ぼくは孫悟空』 *手塚治虫の遺作の一つ 

!もの調べをするときに便利なWEBサイト
調べものをするときに個人的によく利用するサイトを紹介しておきます。
*Wikipedia :オンライン百科事典
**http://ja.wikipedia.org/wiki/
*Google :検索サイト
**http://www.google.co.jp/
*Yahoo! JAPAN :検索サイト
**http://www.yahoo.co.jp/
*AltaVista :検索サイト
**http://www.altavista.com/
*Impress Watch :ニュースサイト
**http://www.watch.impress.co.jp/
*YOMIURI ONLINE(読売新聞) :ニュースサイト
**http://www.yomiuri.co.jp/
*asahi.com(朝日新聞)  :ニュースサイト
**http://www.asahi.com/
*CNET JAPAN :ニュースサイト
**http://japan.cnet.com/
*ITmedia :IT関係のニュースサイト
**http://www.itmedia.co.jp/
{{youtube I2btYv8GaXk}}
『鉄腕アトム』オープニング

!!フレデリック・バック
フレデリック・バック(Frederic Back 1924年〜)は、カナダのモントリオール在住のアカデミー賞短編アニメ賞の受賞経験もあるアニメーション作家である。
!リミテッド・アニメーション
リミテッド・アニメーション(Limited animation)とは、動きを簡略化しセル画の枚数を減らすアニメーションの表現手法である。旧来のリアルな動作を追求したアニメーションに対し、簡略化された抽象的な動作を表現するために、アメリカのアニメーション制作会社UPAにより導入された。

フランスのザールブリュッケン(現在は、ドイツ領)に生まれる。その後パリに移り住み、音楽家であった父親の影響でピアノの練習に励むが、絵画に興味を持ち始める。1939年に。ブルターニュ地方のレンヌの美術学校で恩師の画家マテラン・メウに師事する。1948年には、文通で知り合った女性に会うためにモントリオールを訪れ、翌年には結婚、移住する。
本来は表現手法として考え出されたリミテッド・アニメーションであったが、後のハンナ・バーベラなどにより、専ら省力化のために使われるようになった。日本の手塚治虫もまた鉄腕アトムのテレビアニメを作る際に、この手法を制作費や製作時間を削減するために取り入れた。それが手法として洗練され、現在の日本のアニメーションとして発展した。

1952年カナダ国営放送に、グラフィックアーティストとして参加し、作画の仕事を大量に行った。1968年には、カナダ国営放送アニメーション部門に参加し、タイトルロゴや、子供向け番組の制作していた。そして1975年に、バックの作品には必要不可欠な音楽家ノーマン・ロジェと『イリュージョン』の制作で出会うこととなる。
画面の一部だけを動かす場合、特にキャラクターの体はそのままで口だけが動いたり、画面内の多くのキャラクターのうち、1,2名のみが動いたりするのが特徴である。海外のリミテッドアニメは、動画枚数が1秒あたり12枚のことが多いが、日本のリミテッドアニメは1秒あたり8枚のことが多い。

制作手法としては、主にアセテートの上に画材(色鉛筆、フェルトペン)で描くものが多い。 バックの作品の制作期間はどれも長期間に及ぶ、その為『木を植えた男』の制作中には右目を痛めながらも5年の月日をかけて完成させたと言う。ここまで緻密に人間と自然をテーマに、壮大なアニメーションを作れるアニメーション作家はバックだけだろう。
!バンクシステム
バンクシステムとは、日本のアニメや特撮、映画などの作品において、特撮シーン、特定のシーンの動画、あるいは背景を保存し、別の部分で流用するシステムの事である。違う作品にも使われる事が有る。一部の漫画家もこのシステムを活用している。テレビアニメの場合、人物、背景、物体が全く同じ反応や動きをする場合、新規に作画し直す事は手間、時間、コストがかかる。よって、一度作画した動画の中でよく使われる物はバンクフィルム(もしくは単にバンク(貯蔵))として保存されて再活用される。その一方で、変身シーンやロボットの合体シーンなど毎回使われるシーンは、制作コスト削減のため、最初から流用を前提に作成されることが多い。映画や特撮では、ライブフィルムと言う。ライブはライブラリーから来ている。

また、広島国際アニメーションフェスティバルでのグランプリ受賞などで数回来日しており高畑勲などの、日本のクリエイター達と交流がある。
{{youtube aN5Km4yjUfw}}
バンク例 『ウルトラマン』より

*1975年 - 『イリュージョン』 
*1976年 - 『タラタタ』 
*1978年 - 『トゥ・リエン 』 
*1981年 - 『クラック!』 - 第54回アカデミー賞短編アニメ賞受賞 
*1987年 - 『木を植えた男』 - 第60回アカデミー賞短編アニメ賞受賞 
*1993年 - 『大いなる河の流れ』 
{{youtube Ng7pvIRs5rE}}
バンク例 『仮面ライダーBLACK』より

!『クラック! CRAC!』
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*1981年/カナダ/15分19秒
*制作期間:22ヶ月
*監督:フレデリック・バック Frederic Back
*音楽監督:ノーマン・ロジェ
*オタワ国際アニメーションフェスティバル グランプリ受賞(1982年)/第54回アカデミー賞短編アニメ賞受賞
{{youtube Xq1SYxQSyNI}}
バンク例 『Yes!プリキュア5』より

!『木を植えた男 L'HOMME QUI PLANTAIT DES ARBRES』
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*カナダ/30分/1987年/カラー
*制作:カナダ国営放送
*監督:フレデリック・バック Frederic Back
*原作:ジャン・ジオノ Jean Giono
*第60回アカデミー賞短編アニメ賞受賞/広島国際アニメーションフェスティバル グランプリ受賞など、世界各国で40以上の賞を受賞
*ナレーション(日本語):三國連太郎
*フランスの山岳地帯を旅する若者が出会った男の30年にも及ぶ行動を通して、人間の創造力の偉大さと環境問題をテーマにして描いた87年アカデミー短編賞(アニメ部門)受賞作。人里離れた荒野に住む初老の羊飼いブヒエ。彼は荒れ果てた大地にたった一人で木を植え続けていた。目的など多くを語らない彼の信念を貫くその行動は、二つの大きな戦争の間も続き、中年になった若者が再びその地を訪れた時、不毛の大地はまさに楽園に変身していたのだった……。

!!参考文献
*【WEB】Wikipedia http://ja.wikipedia.org/
*【WEB】YouTube http://www.youtube.com/

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