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他作品からのインスパイア・他作品への回答としてつくるの変更点

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!!!既存の作品や作家を意識した創作
創作を完全に個人の枠の中で完結させてもいいのですが、他人を意識したものづくりも重要です。創作活動をコミュニケーションとするならば、作品と視聴者の間のコミュニケーションの他に、異なる複数の作品間のコミュニケーションも考えられます。ある作品で扱われている思想、物語、コンセプト、技術に対して、私はこう考えるという回答を作品で示すわけです。同意や反論を作品に反映させます。作家間の相互作用の連続が、今の業界の流れというものを形作っています。個人作家も孤立する必要はどこにもないのです。現代に生きるひとりの作家として、作品で意見を言っていけばいいのです。

たとえば、あるテレビアニメ作品に対して、同意できる部分、同意できない部分があったとすれば、それに対して何か回答となる作品を考えていきます。もしくは、ある作家をターゲットに回答していっても構わないですし、業界全体を相手にしてもいいでしょう。もっと大きくいえば、社会全体を相手にすることも可能です。ただ、枠組みを大きくすると、捉えにくくなっていくので、絞った方がやりやすいかもしれません。

知名度の高い作家や作品、自分が重要だと思う作家や作品を相手にしたものづくりにした方が効果は高いでしょう。小さなコミュニティ内でのやりとりに限定するならば、それほど気にする必要はありません。交換日記のような感覚でやるのも面白いですよね。

しかし、問題になってくるのは、作品を見ただけでは、作家が実際にどう考えて作っていたかというのはわかりにくいということなんです。もちろん、作品から感じたものを受け取っていけばいいのですが、作家のコメントが聞ければもっと見えてくるものがあるはずです。何を考え、どう表現しようとしていたのか、また表現できた部分とできなかった部分はどこなのか。他の人の創作についての話は大変参考になります。講演会のようなものがあれば、会場に足を運んだり、インタビュー記事を読んだり、パーティなどで実際にお話を聞く機会があればなおいいでしょうね。対談やインタビュー記事などはチェックするといいですよ。

最近、この限定されたコミュニティ内での作家間の相互作用の事例で面白いと思っているのはニコニコ動画です。何か流行のようなものが起こると、そのネタやテーマに対して大量の作品が投稿され、相互作用の連続であっという間に進化していきます。ひとつひとつの作品を見るだけではなく、そういう大きな視点で見ていくと、生き物のようなうねりや流れが見えてきます。同じような現象はニコニコ動画だけに起こっているわけではありません。様々な表現の場で起こっているのですが、ニコニコ動画ほど流れが早くないので見えにくいのですね。そういう流れに乗っていく、もしくは違う流れを作っていく姿勢で関わっていくのも面白いのではないでしょうか。