映像基礎演習 第12回 作品鑑賞 [2007年度前期]
ヤン・シュヴァンクマイエル
チェコスロバキア・プラハ生まれの芸術家、シュルレアリスト、アニメーション・映像作家、映画監督。
ヤン・シュヴァンクマイエルは1934年にプラハで,陳列窓の装飾家である父と裁縫婦の母に生まれた.1954年にプラハの工芸高等学校を卒業し(高校在学中にシュルレアリスムに触れた),チェコ国立芸術アカデミー演劇学部人形劇科に入学した.ここでいくつかの演劇作品に関わった.1958年から1960年まで兵役についたあと,シュルレアリストとして知られるエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーと結婚した.その後仮面劇や人形劇の仕事を続け、またこのころからオブジェの制作を始めた.
その後はラテルナ・マギカに移り、1964年にクラートキー・フィルム・プラハで最初の映画作品『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』を発表.以後,多くの短篇映画作品や『アリス』『ファウスト』などの長編作品を製作している.
チェコといえばパペット・アニメーションが有名だが、シュヴァンクマイエルの作品はチェコのアニメーションの中でもかなりユニークなもので一度見たら忘れられない衝撃を与える。彼のシュールリアルリスティックな作品は、大勢のアーティストに影響を与え続けている。
作品 - 長編
- アリス (1987年)
- ファウスト (1994年)
- 悦楽共犯者 (1996年)
- オテサーネク (2000年)
- Lunacy ルナシー (2005年)
作品 - 短編
- シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック (1964年)
- J.S.バッハ-G線上の幻想 (1965年)
- 石のゲーム (1965年)
- 棺の家 (1966年)
- エトセトラ (1966年)
- 自然の歴史(組曲) (1967年)
- 庭園 (1968年)
- 部屋 (1968年)
- ヴァイスマンとのピクニック (1969年)
- 家での静かな一週間 (1969年)
- ドン・ファン (1970年)
- コストニツェ (1970年)
- ジャバウォッキー (1971年)
- レオナルドの日記 (1972年)
- オトラントの城 (1973年-1979年)
- アッシャー家の崩壊 (1980年)
- 対話の可能性 (1982年)
- 地下室の怪 (1982年)
- 陥し穴と振り子 (1983年)
- 男のゲーム (1988年)
- アナザー・カインド・オブ・ラヴ (1988年)
- 肉片の恋 (1989年)
- 闇・光・闇 (1989年)
- フローラ (1989年)
- スターリン主義の死 (1990年)
- フード (1992年)
参考資料
【DVD】ヤン・シュヴァンクマイエル 「ドン・ファン」その他の短編
【DVD】ヤン・シュヴァンクマイエル 「ジャバウォッキー」その他の短編
クリス・カニンガム
映像ディレクター、クリス・カニンガムは、この10年における最も影響力のある映像作家の一人である。寡作でありしかもコマーシャルな作品はほとんどないにも関わらず、クリス・カニンガムの名を知らない映像関係者はいない。アート・スクールへの進学を蹴り、映画会社で技術を磨く。1989年デビッド・フィンチャー監督『Aliens 3』の特殊効果に19歳で抜擢される。1995年オウテカのPVを手掛け、以後、エイフェックス・ツイン、マドンナ、ビョーク等のビデオを手掛ける。2001年にはビデオ・アート作"Flex"をロイヤル・アカデミー・オブ・アートのアポカリプス展に出品しアート界からも注目される。その後、暫く表舞台から遠ざかっていたが、2005年には短編映像と自身の手掛けたアートブックをあわせた『ラバー・ジョニー』を発表。
参考資料
【DVD】Rubber Johnny
【DVD】DIRECTORS LABEL クリス・カニンガム BEST SELECTION